レディース社長店員のリーダーシップと呆然自失気味な私

あの局面、目の前にいたのは今や彼女というひとつではなく、悪鬼に満ちた第三者ならぬひとつだった。
それでも自分は彼女に尽くした。
その役割あってか、彼女は今日少しずつではあるものの「自我」というものを奪い返しつつ残る。
その実、こんな症状がいつ暗転するかもわからないような不安定な普段を今も送っていらっしゃる。
悲観が全身を統治した局面、人とは何かにすがりたくのぼる生き物です。
そう言った意味で、自分にとってはN・Aが、今のそれに該当するようなひとつだった。
「I様」
店内の洗浄が終わったらしきN・Aが容貌を現した。
小時給、何を始めるでもなくただその場で呆然と立ち尽くしていたのみだったが、N・Aに言われるままに自分は改めて喫茶店へと足を踏み入れる。
「あれこれももう少しで挙がるから深層のテーブルで待ってて」
さっと離れた会社で、二人のマミー店員が私服容貌で忙しなくモップ掛けをやる容貌を観ながら自分はひたすらやきもきしていた。
どうもこの店も、本日で必要納めのようだ。
「カップルとも、とっくにいいよ。お疲れ様」
N・Aのひと声で、女性陣は「いい生年月日を」と言い残して店先を先にやる。
そのままカップルを見送った先、N・Aは業務用冷蔵庫の中から原材料を取り出して調理をし始めた。Amazonベルタ